公開: 2020年5月25日
更新: 2020年5月25日
ピタゴラスは、エウクレイデスより前の紀元前6世紀頃、古代ギリシャ時代のイタリアで活躍した数学者です。彼は、エジプトで幾何学を学び、フェニキアで算術を学び、カルディア人から天文学を学ぶなど、20年以上の放浪生活を経て、現在のイタリアの小都市でピタゴラス学派を立ち上げたとされています。ピタゴラス学派は、秘密主義で、宗教的な傾向が強かったと考えられています。
ピタゴラス学派は、その地方の有力者の支援を受け、数多くの弟子を持っていましたが、その有力者が政敵に倒されると、弟子の中から反乱が起こり、ピタゴラスは殺されたと伝えられています。ピタゴラスの弟子のひとりが、分数では表すことができない「無理数」を発見したとき、ピタゴラスは「そのような数が存在する」ことを認めずに、その弟子を殺したとも言い伝えられています。ピタゴラスは、全ての数は、「整数」を使って表すことができると信じていました。
2の平方根は、無理数ですが、ピタゴラスはその数も分数で表せると思っていました。それは、古代バビロニアの数学者が考え出した方法で、現代数学では「ペル方程式」と呼ばれている方程式を使って計算ができると信じていたからです。しかし、それはある数の平方根に近い数を探す方法なので、平方根の数そのものではありません。ベル方程式を使うと、2の平方根は、最も簡単な分数で表すと、2分の3になります。ペル方程式は、答えがたくさんある「ディアフォンタス方程式」の一つです。